以下の記事をみてTwitterでシェアしようと思ったら要約が長くなりすぎたのでここにメモしておきます。単に概要を箇条書きしただけです。
Crowdfunding and Tribefunding in Science – The Next Regeneration
- 政府系の競争的な研究資金を取るのは大変で、研究者はその応募書類をつくるのにめちゃめちゃ労力を割いている。
- 一方、そんだけ労力を割いても採用されないプロジェクトが多く、審査も完全ではないから、優れたアイディアが闇に消えてしまっている可能性もある。
- そんななか、最近は学術研究の分野でも、クラウドファンディングによって研究費を集めるケースが増えてきている。
- experiment.comなど、そのためのオンラインプラットフォームも出来ている。
- 数十人・数十万円を集めれば成立するプロジェクトが多く、意外と成立している。
- 意外と、大衆受けするテーマでなくてもプロジェクトが成立している。
- しかし問題は、研究経費の一部を賄うレベルの案件ばかりで、研究者の人件費をカバーできるようなものはなかなか難しいから、長期的な研究プロジェクトのベースにはなりにくい。
- そこで最近は、「ばらばらの個人」に資金提供してもらうcrowdfundingではなく、資金提供者にもプロジェクトのコミュニティメンバーとして深く長期的に関与してもらうtribefundingの考え方が台頭してきている。
- イメージとしていうと、バラバラの個人との一時的な関係だと1万円ぐらい出してもらうのが限界だとしても、一緒にディスカッションしてプロジェクトを築き上げていくメンバーとしてなら10万円ぐらい出してくれるかもしれない。
- また、こういう方式であれば、研究プロジェクト提案の査読についても、どっかの大学教授が適当に捌いていくのではなく、その研究に関心のある幅広い人達でディスカッションすることができ、内容をより良いものにすることもできる。
- 草の根レベルで広い範囲から資金を募ることができるというクラウドファンディングの良さと、プロジェクトに関心がある人同士の長期的な共同関係をミックスすることで、学術研究におけるファンディングがもう少し進歩するかもしれない。
「クラウドファンディング」から「トライブファンディング」への進化については以下の解説記事を参考に。
Crowdfunding or Tribefunding? – Klugemotivation
なるほどなぁと思いつつ、具体的なイメージはまだついてないです。
ただまぁ、「ガチの共同研究者」としてでもなく、「投げ銭程度の寄付をする一般人」としてでもなく、その中間的なレベルで学術研究に関与するっていうあり方はあっても良いんだろうと思いますね。この世の中に、そういうレベルのモチベーションは確かにある程度ありそうで、モチベーションがあるならそれに見合ったおカネが動く可能性はある。意思決定のルールを明確にしておかないと活動が混乱するかもしれませんが。
それはそれとして、河野太郎議員には、大学の事務ルールがどうのこうのみたいな細かい問題はさっさと片付けて、学術研究資金を「総額としてどんどん増やす」方向で太っ腹な活躍をして頂きたいと個人的には思ってます。