民間企業で10年働いてから大学に転職して、8年が経ちました。自分が大学生だった20年前と比べてのカルチャーショック、ジェネレーションギャップのまとめ(決定版)です。
第10位 授業にちゃんと出席している
最近の大学生は、とにかく授業に出席します。
いや当たり前だろと言われそうですが、昔の大学は出席管理が甘かったので、語学や体育のように出席を重視している一部の科目と、話が面白いと思える授業だけ出席して、あとの授業はレポートや試験だけ何とか頑張るというスタイルが割と一般的だったと思います。
周りの教員に聞いてみても、そういう人けっこういますね。
なので個人的には、自分がやってる授業でも出席なんて取らずに興味ある人だけ聴いてればいいと思うのですが、最近はしっかり管理しないと大学から怒られます。文科省が厳しいらしいです。
第9位 20歳になるまで酒を飲まない
最近の大学生は、法律を守ります。
私ぐらいの世代だと、まず初めての「飲み会」が高校1年の6月の体育祭の打ち上げでした。昔は、居酒屋にせよ、コンビニや酒屋にせよ、年齢確認とかなかったですし、教師も黙認してましたよね。
大学に入ると、清楚で真面目な女の子とかも、周りに合わせてふつうに飲んでたと思います。現役で入った1年生は18-19歳ですが、サークルの新歓とかに行けば酒を飲むのが普通だったと思います。
一方、今の大学生は、20歳になるまで飲まないという人が多いみたいです。真面目になったような印象ですが、そもそも昔に比べると飲み会自体が少ないし、酒を飲みたいというモチベーションもべつになさそうではありますね。
第8位 読書量が少ない
最近の大学生は、昔に比べると、読書量が少ないと思います。
特に、いわゆる教養書を読まなくなっていますね。私が教えてる工学部ではもともと本を読まないのは普通なのですが、とある文系学部(偏差値が国内最高だった時代もある)の先生に聞いたところ、最近の学生に「最近読んだ面白い本は?」と聞くと、池上彰の解説本とかを挙げてきて驚いたそうです。
昔の文系学部だと、『必読書150』に出てくるような岩波文庫の古典を片っ端から読んでいく……というのは大げさにしても、読んだフリができる程度にはつまみ食いしておくとか、そういう感覚があったと思います。
一方、今の大学生は、成績が優秀な層でも、「◯◯ぐらいは読んでいないと恥ずかしい」「解説書に頼ったことは人に隠しておく」という感覚があまりないようですね。
私が大学生の頃、ゼミの先生から、「教養書(典型的なイメージとしては岩波文庫や中公新書)は1週間に1冊ぐらい読んでいれば大学生として及第点」と言われたのを覚えています。自分では1日1冊を目標にしていて、結局サボるので平均すると2〜3日に1冊になってたと思いますが、大学生は週1ぐらいでそういう本を読んだほうがいい気はします。
第7位 教員を見下さない
最近の大学生は、教員を見下したりしないです。
昔はどうだったかというと、熱心な学生ほど教員を小馬鹿にしているようなところがあって、「あの先生はじつは本質を分かってない」「あいつは所詮左翼だから」「この授業の説明は古い」とかよく文句を言っていたと思います。
もちろん、今もそういう学生はいるのですが、昔に比べたらだいぶ少なくなってるんじゃないでしょうか。表に出さないので私の目に入ってこないだけ、という可能性はあるのですが、どうもそういう感じでもなさそうなんですよね。
優秀な学生でも、教師の言うことを素直に信じているという印象です。もう少し反骨心があってもいいかも知れません。
第6位 (笑)でもwでもなく笑
最近の大学生は、「笑」を直接語尾にくっつけます。
括弧とかは付けません。
「先生そんなことも知らないんですか笑」
というふうに使います。
2個並べるときは、
「先生さっきチャック開いてました笑笑」
となります。
我々のような2ちゃんねる世代は「w」も使いますが、今の学生は全く使わないですね。
ちなみに私は、(笑)を変換辞書に登録したので(笑)を基本につかっています。
第5位 授業中に講義スライドの写真を撮る
最近の大学生は、講義中に教員が投影しているスライドを、スマホで撮影します。
撮っていいか確認したりもせず、当たり前のようにパシャパシャ撮影します。
私自身は撮られても構いませんし、「熱心に聴いてるやん」ぐらいに思うのですが、本来は、他人のプレゼンテーションを撮影していいかどうかは事前に確認するのがマナーですよね。一般の講演会とか企業の打ち合わせなどでは、著作権や機密情報への配慮も必要なので、勝手に撮るのはNGです。
最近、そういう一般常識を知らずに学生が社会に出るのも問題だなと思ったので、今後は、一応そういう一般的なマナーを教えた上で、私のスライドは自由に撮っていいと伝えようと思います。
第4位 格闘技に興味がない
最近の大学生は、格闘技には興味ないです。
私が学生だった頃は、K-1とかPRIDEとかがゴールデンタイムに地上波で流れていたので、特段「格闘技好き」というわけではない人も割と観てましたが、今の学生は全く観ないようです。
ここ数年、BreakingDownがバズってますし、格闘技選手のYouTubeチャンネルなどもかなりメジャーになっているので、てっきり学生たちも朝倉未来とか安保瑠輝也とか平本蓮とかの動向を知ってるのかと思いきや、驚くほど、まったく話が通じません。
そういえば、学生をフィールドワークに連れていく少人数制の授業があるのですが、一昨年(2023年)、その履修者に「大晦日のRIZIN、チケット代は無料でいいので行きたい人いますか?」と募ったら、希望者ゼロでした。1枚33,000円のチケットを私費で4枚取ってたので、ふつうに友人と行きました(笑)
第3位 男子でも免許はAT限定
最近の大学生は、クラッチ操作ができません。
私が大学生の頃だと、男子は9割以上がMT免許を取り(ただしクルマを買うなら9割がAT車)、女の子は逆に9割がAT限定免許という感じでしたが、今は男子でも8-9割ぐらいがAT限定のようです。
免許の取得率そのものは、それほど低下はしていない印象です。3回生向けの交通工学の授業を担当しているので、毎年学生に手を上げてもらってるのですが、7-8割の学生が免許は取っています。
しかしクルマを買いたいという人は稀で、学生のうちに取っとくのが無難だから取ってるというだけですね。
第2位 就活時期が早い
最近の大学生の就活は、早いケースでは2回生の12月頃から始まります。
3回生の4〜8月ぐらいに、外資系コンサル、投資銀行、メガベンチャーあたりの有力どころのインターンがあるのですが、それに受かるためには「選抜コミュニティ」という、就活戦闘力最高レベルの意識の高い学生が集まるサークルみたいなやつに所属する必要があります。いや、べつに所属しなくてもいいんですけど、私が話を聞いている範囲では、内定まで取れる学生の8-9割ぐらいはその種の選抜コミュニティに所属してますね。
選抜コミュニティは、SPIやケース面接の対策のための互助会でもあるし、人脈づくりの場にもなっています。
選抜コミュニティ自体が、誰でも入れるわけではなく見込みのある学生しか入れてくれないので、その準備を2回生の12月ぐらいからする人もいるわけです。
なお、早ければ3回生の8月頃に内定が出てしまうので、就活にかけている時間自体がめちゃめちゃ長いというわけでもないですね。内定が早い人は、残りの1年半ぐらい学業と遊びに専念できます。
第1位 忙しそう
最近の大学生は、とても忙しいようです。
これ、大学の教員はみんな感じていると思うのですが、「えっ、学生ってそんな忙しいもんだっけ!?」と不思議に思ってしまうほど、みんなスケジュールの空きがないんですよね。
学生に何かを頼んだり誘ったりすると、「月末まで余裕がありません」みたいなことがけっこうあります。
何がそんなに忙しいのかいまいちわからなくて、教員から見るとけっこう「謎」です。学生も、教員から「学生がそんなに忙しいわけないだろ」と不思議がられているということは知らないと思うので、お互いの認識ギャップを埋めるためにも、何らかの調査が必要なんじゃないかと真面目に思っています(笑)
- 教員自身も、自分が学生だった頃はバイトとか入れまくっていて空き時間がなかったのを、忘れているだけ。
- 実際に、最近の学生は昔の学生より忙しい。
- 教員の依頼を断るために忙しいフリをしている。
と、いろいろ可能性が考えられるのですが、私の仮説は1ですね。自分が何かを頼む側になった時に、都合よく「学生は暇なはず」と思い込むバイアスが働いているのではないかと思っています(笑)

